マンスリーカルチャー
令和7年3月

いよいよ春到来です。
この時期の魚といえば、まずは鯛(たい)が浮かびます。綺麗なピンク色の魚体が桜咲く春に似合うのでしょうか、我が国では大いに人気があります。また、七福神のお一人の恵比寿様が釣り上げた魚が鯛で、このことから「縁起が良い」「おめでたい」とされ、好まれる要因にもなっています。
次に、別名春告魚(はるつげうお)と呼ばれるニシンはまさにこの時期の魚です。昔は北海道でたくさん獲れましたが現在はすっかり減少し、普段我々が口にするニシンの多くはロシア、カナダなどからの輸入品です。
そして、もう一つこの時期の魚として鰤(ぶり)が挙げられます。冬の味覚の代表格に挙げられる寒ぶりは冬が旬ですが、それは日本海側での話で、太平洋側で獲れるぶりは春が旬になります。
ところで、ぶりは成長段階で名前が変わる「出世魚」とも言われていますが、プロ野球界の出世魚とも言える大谷選手の東京ドームでのMLB開幕戦の活躍は見事でしたね。常に高みを目指して、次々にステップアップし、大事な局面で大きな期待をかけられてもその重圧に負けることなく、確実に結果を積み上げていく姿は見事です。大谷選手は、出世魚のように名前は変わりませんが、前人未到の記録を次々に作ることで世間の評価が変わっていく過程が、出世魚のようになるのではないでしょうか。
