マンスリーカルチャー
令和2年2月

連日新型コロナウイルスの報道でもちきりですが、季節は着実に春に向かっています。
春と言えば桜ですが、今年は例年より開花が早い、との予想が出ています。いつもより寒い日が少なく、雪が降らなくて困ったスキー場が悲鳴を上げていましたので、なるほど、という思いです。ただ、本来であれば「入学式には桜」が似合うように思いますが、今年は卒業式に桜が咲くようなことになりそうです。
ところで、街中では和菓子屋さんに「桜餅」がすでにお目見えしています。まさにこの時期ならではの桜餅ですが、地域によって作りが異なります。関東では一般に見られるものは小麦粉を使い、表面はつるっとしているのに対し、関東以外ほぼ全国で見られる桜餅は道明寺粉から作り、もちの表面が粒状です。
関東風の桜餅は「長命寺(ちょうめいじ)」と呼ばれることもありますが、この長命寺は隅田川近くの向島にあるお寺で、隅田川七福神の一つです。このお寺の近くでお店を構え桜餅を作っているのが「山本や」ですが、江戸時代から続く老舗で、桜餅を一年を通して販売しています。
桜餅に欠かせない桜の葉はオオシマザクラの葉が用いられ、特に伊豆半島の松崎町で全国の70%が生産されているそうです。
桜の開花はもう少し先ですが、熱いお茶を飲みながら桜餅を食すれば一足早く春の訪れを感じられそうです。お好きな桜餅は、長命寺ですか、それとも関西風の道明寺ですか。
