マンスリーカルチャー
令和4年8月

一時期の痛いような日射しがなくなり、夕方のヒグラシの鳴き声を聴くと秋到来を感じます。こうなると色鮮やかなブドウが果実店の店頭に並び始めます。
日本でのブドウは、もともと中国から渡ってきたものが起源で、鎌倉時代に現在の山梨県甲州市勝沼町付近の農家で栽培が始まったそうです。今でも勝沼近辺はブドウの産地で有名ですので、絶えることなく長きに亘って作り続けた努力に感心します。一方この背景には、ブドウの栽培に最も適した土地がこの地域であった、ともいえるようです。
日本で人気の高いシャインマスカットは、日本の農林水産省所管の試験場で育成された栽培品種です。皮ごと食べられる特徴があり、甘さと香りの良さが人気のもとのようですが、この品種登録を日本でのみ行い、国外で行わなかったため、日本の許可を得る必要がないことから中国、韓国などが生産し、香港、マレーシアなどに日本より安い値段で輸出しているそうです。本家のお株を海外に奪われる、というこのところよくある何とも残念な話です。
それはさておいて、今年は外出制限がなくなりましたので、天気の良い日にブドウ狩りに出かけ、美味しいブドウをたくさん食べる楽しみが味わえそうです。
