マンスリーカルチャー
令和5年6月

蒸し暑い日が続いています。帰宅して風呂上りにビールをゴクゴクと飲み干す快感を味わえる季節です。ゴクゴク飲めるのは、ビールのアルコール度数が一桁台と少ないことにあります。同じく冷やして飲む日本酒いわゆる冷酒はアルコール度数が15度前後ありますので、ビールのような飲み方はできません。
ところで、このアルコール度数が蒸留酒になると焼酎が15から20度、ウイスキーが40度以上と一気に高くなります。醸造酒のアルコール度数とのこの違いはわかりますか?それは醸造酒に欠かせない酵母の存在です。醸造酒は酵母が糖をアルコールに変えることにより作られますが、酵母が作ったアルコールが一定の量まで到達すると酵母の増殖が止まってしまう現象が起きます。発酵の条件や酵母の種類によって違いはありますが、おおよそアルコール度数20度くらいが限界とされています。したがって、ウイスキーのような濃い日本酒は作れないのです。
なお、欧米ではアルコールの表示を「プルーフ」で表しますが、アメリカのプルーフ(USプルーフ)は度数の2倍、イギリスのプルーフ(UKプルーフ)は度数の1.75倍です。ただ、最近欧米ではアルコール度数の表記が義務となっており、アルコール度数を[%]で示し、プルーフを[degree]あるいは[°]で併記しています。輸入酒の瓶のラベルをご覧頂くとこのような表記を確かめることができます。
暑い夏にはビールが似合います。そしてビールには夏が旬の枝豆が合います。枝豆に含まれるメチオニンが肝臓のアルコール分解を助ける効果がありますので、最適な組み合わせということになります。ただし、飲み過ぎては、さすがの枝豆も追いつきません。ほどほどの量で、お楽しみ下さい。
