令和5年9月

道ばたの草むらのかげから聞こえる虫の鳴き声で、秋到来を感ずるこの頃です。この時期に収穫される果実に「すだち」があります。秋の食卓に欠かせないサンマを焼いてお皿に乗っているときに添えられる緑のアレが「すだち」です。一方、形・色が似ている果実に「かぼす」があります。 どちらも柑橘類で酸味がありますが、酸味が強いためにそのままでは食さない果実になります。

一方この両者の違いは
① 大きさ:すだちはゴルフボール、かぼすはテニスボール
② 絞って使うときの相性のよいもの:すだちは焼き魚、天ぷら、かぼすは刺身、白身魚
③ 産地:すだちは徳島県(シェア98%)、かぼすは大分県(シェア99%)
どちらもクエン酸、ビタミンCなどが豊富で、食欲増進、疲労回復効果がある、とされています。
そこで、少しためになるお話をしますとすだち、かぼすともに絞って食材にかけることが多いですが、お薦めの使い方をお伝えします。

① 流水で軽く洗い、表面の汚れなどを落とします。
② まな板の上で転がして軽く揉みます。
③ ヘタを上にして、真横に切ります(地球の赤道のライン)。
かぼすは大きいのでさらにもう一回切り、くし形にします。
④ 切り口を上にして(☚ここがミソ)果汁を絞り出します。この方法で皮に含まれる栄養分(免疫力増進、高血圧予防、リラックス効果などが期待できる、とされています)が、果汁に含まれます。したがって、切り口を下にして絞るのは折角の栄養分を逃していることになり、もったいないです。
今年のサンマは例年よりお高いようですので、味噌汁に入れて香りを楽しむ、あるいは牛乳に入れてヨーグルト風味を味わうなど、一度お試し下さい。特に暑かった今年の夏の疲れをすだち、かぼすが解消してくれますよ。