マンスリーカルチャー
令和2年8月

今年は梅雨明けが遅くなり、暑さに馴染んでいないまま猛暑に見舞われたため、多くのお方が辛い思いをされた夏になりました。しかし、この後は「秋」の出番です。
秋をテーマにした歌の中で「ちいさい秋みつけた」は多くの世代に知られた楽曲ですが、この歌詞を作ったサトウハチローは、文京区の自宅にあった櫨(はぜ)の木の紅葉を見たことがきっかけになったそうです。
また、待ち遠しいという思いを「一日千秋の思い」という表現があります。ここで秋が使われるのは、中国では秋が基準で一年を数えたからだそうで、秋以外の9カ月を秋が三つで「三秋」と表すこともあります。(そもそも「一日千秋」という言葉も、もとは「一日三秋」でしたが、長さを強調して「千秋」になったそうです)農耕の民にとって実りの季節が秋であり、収穫の秋が1年の基準でした。
そういえば、「秋」という文字は、穀物を示すのぎへんと穀物を乾かすという意味の火からなります。収穫の秋、実りの秋を「秋」自体が示していたのですね。
ところで皆さんは、何で秋を感じますか?セミのヒグラシの鳴き声を聴いたとき、というお方もおいででしょう。いずれにしても涼しい秋が一日千秋の思いで待たれます。
