マンスリーカルチャー
令和4年11月

秋本番で美味しいものがたくさん頂ける時期になりました。
果実では、リンゴ、柿、栗※などが人気ですね。
(※農林水産省の定める分類法では、『樹木になるものを果実とする』とされているので、栗は果実になります。他方、いかにも果実のように思うイチゴは草花ですので、野菜に分類されます。)
また、魚ではふぐがこれから本番です。ふぐ料理といえばふぐ刺しとふぐちり鍋が浮かびます。なお、大阪ではふぐ刺しを「てっさ」、ふぐちり鍋を「てっちり」と呼びます。ふぐの毒と鉄砲はあたると怖い、ということにかけて、ふぐを「てっぽう」と呼び、てっぽうの刺身で「てっさ」、てっぽうのちり鍋で「てっちり」と呼ぶようです。ちなみに「ちり鍋」は、白身魚の切り身と野菜、豆腐の鍋の総称で、白身魚が鍋のお湯に反応してちりちりと縮んでいくことから「ちり鍋」というようです。
「河豚(ふぐ)は食いたし命は惜しし」という諺があるほど、ふぐの毒は恐れられていますが、ふぐは生まれてきたときは無毒で、餌を摂取しているうちに毒素を体内に後天的に蓄積していくのだそうです。(何だか、人間の一生を言い表しているようで身につまされます。)そこで、養殖ふぐ事業の関係者は、餌の研究を進めて無毒のふぐ誕生を目指しているようです。
そもそもふぐの本場下関では、「ふぐ」ではなく福につながる「ふく」と呼んでいるようです。早く毒のないふぐを安心して食べられる日が来て、文字通り福を口にする食材になってほしいものです。
