マンスリーカルチャー
平成30年10月

味覚の秋ですが、この時期ならではの季節感ある食材の一つに栗があります。ご存知の方も多いと思いますが、栗は果実の仲間です。デパートの果実コーナーで、贈答用のフルーツセットの中で栗が、梨、リンゴなどに挟まれて可愛らしく入っているのを見ると秋を感じます。
私達が普段食する栗は「ニホングリ」という種類です。他に天津甘栗で知られる「チュウゴククリ」、マロングラッセなどで知られる「ヨーロッパグリ」、日本では見かけない「アメリカグリ」があります。
我が国では栗は古くから食されていて、縄文時代の遺跡から栗が出土しているそうです。そして、茨城県、熊本県、愛媛県が生産量トップ3です(2016年現在)。名産として「丹波栗」がよく聞かれますが、この地域の生産量が全国上位に入っていない事は意外な気がします。
栗は硬い果皮に包まれていますが、ニホングリはこの皮が剥がれにくいのが特徴で、チュウゴククリは皮が剥がれやすい、といわれています。この皮があるため、保存が効くように思われがちですが残念ながら、あまり保存が効かないので早目の調理がお薦めです。
そこで、栗の栄養成分を見てみますと、全体的にバランス良く栄養分が含まれているそうです。まず、疲労回復ビタミンといわれるビタミンB1が豊富です。高血圧予防に効果のあるカリウムも豊富です。また、栗の渋皮にはタンニンが多くあり、老化防止、癌予防効果が期待できます。意外にも熱に強いビタミンCが沢山含まれており、さらには現代人に不足気味の亜鉛が豊富ですので、味覚障害、生殖機能減退、肌荒れなどの予防ができます。
こうなったら、調理に少し手間が掛りますが「栗を食べて元気になろう!」という気分になりそうです。
いかがでしょうか。