マンスリーカルチャー
平成29年11月

早いものであと一ヶ月少々で、年が変わります。ということで、世間では「忘年会」のお誘いがかかる時期になりました。
そもそも「忘年会」は日本独特の文化ですが、その由来ははっきりしていません。ただ、室町時代の皇族が認めた「看聞日記」の中で1430年12月21日の記録に、連歌の会での宴席が大いに盛り上がり、としわすれ(歳忘)のようであった、と述べられています。このことから、この時期に民衆行事として「としわすれ」と呼ばれる、お酒を飲み、乱舞する行事があったようです。
また、近世になると先月の「ご存知ですか」でも取り上げた夏目漱石の小説「吾輩は猫である」の中で、忘年会の記述があり、さらにこれより少し前の坪内逍遥の小説にも忘年会に触れているようです。このように庶民の文化として長く続いた「忘年会」に加わることは文化の継承に繋がることになりますので、その意義をかみしめながら大いに忘年会を楽しみましょう。ただし、飲み過ぎ、はしゃぎ過ぎないことが大切です。なにしろ、文化の継承という高尚な担い手になるのですから。