マンスリーカルチャー
平成29年3月

桜の開花の便りが聞こえて来る時期になりました。
桜といえば、お花見ですが、この起源は古く奈良時代の貴族の行事だと云われています。奈良時代には中国から伝来したばかりの梅が人気でしたが、それが平安時代に桜に代わってきました。嵯峨天皇が弘仁3年2月12日(812年3月28日)に催した「花宴の節」が記録に残る最初の花見とされています。その後、桜の花見が貴族の間に急速に広まり、鎌倉、室町時代には武士階級も楽しむようになり、江戸時代には一般庶民にまで花見が広まっていきました。
ところで花見で思い出すのが、桜色、白色、緑色の3色の団子からなる「花見団子」ですが、桜色は桜で春、白色は雪で冬、緑色はヨモギで夏を表しています。(よく「花より団子」といわれますが、ここでいう団子は花見団子のことだそうです。)
この花見団子の始まりは、有名な秀吉の「醍醐の花見」(慶長3年3月15日(1598年4月20日))で、秀頼、北政所、淀殿ら近親者を始めとして、諸大名からその配下の女房女中衆約1,300名を召し従えた盛大な催しでこの花見に招かれたのは女性のみで、男性としては、秀吉・秀頼の他には唯一前田利家の名が残るのみです。この時諸大名は、沿道の警備や、会場の運営などにあたったそうです。このような企画はいかにも秀吉らしい感じがします。
さて、今年のお花見はお花見団子を買って、満開の桜の下で花も団子も楽しんではいかがでしょうか。この時は秀吉に倣って、女性中心で盛り上がるのが今風ではないでしょうか。